Katsu-Z's "Half-Century Birthday Party"@The Fourth.

暑さも一段落し、夕方夜等は秋の気配さえ漂うニューヨーク・・・しかし此方はと云えばカタログ作業が佳境で、そりゃ大変な騒ぎである。

が、その佳境で大変なカタログ作業の中強行されたのが、筆者の50回目のバースデー・パーティーで有った。

今年のBDP、如何に記念すべき50回目と云えども、猛烈に忙しい時期な事も有って簡単に済ませ様と思って居たのだが、多国籍なパーティー・フリーク達から「50周年、何かやるんでしょ?…やるよね?」と云われ続けた結果、今回は不安ながらも仕切りをクサマヨイを全て任せて、カジュアルなパーティーを開催する事に。

場所は最近オープンした「Union Square Hyatt」内に、「食の盟友」マルコが開店したレストラン・バーの「The Fourth」。そしてゲストはアーティストやデザイナー、ミュージシャン等の友人達を始め、会社の同僚や美術館学芸員、美術史家等の約60人とし、今回も翌日生まれのアーティスト、インゴ・ギュンターの友人も呼んでの合同パーティーとした…迄は良かったのだが、実は筆者の知らない処で、恐るべき企画が進行して居たのだった…。

バースデーの前日、現在ジャン・レノ主演のテレビドラマを世界22カ国で放映中のテレビ・プロデューサー夫妻と「バースデー・イヴ・ディナー」をした時、そのRが時折時計を見て「Hey Mago, you have 3 hours to go !」等と何度もカウントダウンされ、ここ数ヶ月「50に為ると云う事は、『四捨五入』で云えば一段階上に行く事なのだ…俺はもう人生の上がりに近づくのだ…」とディプレスし、如何に前夜の夢の中で、実家の庭に這い蹲って顔を擦り付け、「俺は絶対土の上で死ぬのだ!」と叫んだとしても、何てこたぁ無い、一晩経てば意外にスッキリとし、大人の階段を登った感じで有った。

が、カタログ2冊が進む仕事の方はそう甘く無く、バースデー当日も上手く進行せず、イライラは募るばかり…序でにクサマヨイからの「今、タクシー乗ってるから、早く49丁目の5thと6thの間に来て!」との電話に急かされ、イライラも限界に近付き乍ら、会社の外に出て彼女を探すと、正面玄関の前だと云う。

ご存知ない方の為に説明すれば、クリスティーズ・ニューヨークの正面玄関は49丁目の5番街と6番街の間に在り、直ぐ近くには冬の巨大ツリーやスケート・リンクで有名なロックフェラー・センター、隣には終始セレブが出入りしている放送局のNBCの在る、ニューヨークの観光のメッカに位置している。

そう云われ、電話をしながら正面玄関の方を見ると、白のストレッチ・リムジンが停まって居り、何やらレッド・カーペットらしき物が敷かれ居り、数人の人が立っている。また誰かセレブでも来てて、ファンが待ち受けてるのだろうと思ったが、玄関に近付くに連れ、どうもそのグルーピーの面々に見覚えが…。

「あぁ、クッソー、ヤられた…サプライズだ!!」

サプライズのプロで有る筈のこのワタクシが、如何に忙しかったとは云え、こんなにコロッと騙されるとは…。

見ればその「レッド・カーペット」は世界一短く、後で聞くと何と「エール・フランス」のブランケットだったのだそう…そして恥と驚愕に塗れた筆者はヴィデオに収められ、道行く観光客に写真を撮られながら、友人達の手に拠って路上でジャラジャラしたアクセサリーを付けられ、ハードコアなキャップや「$」眼鏡を被せられた末、まるでJay-Zの如きヒップホップ・スター、Katsu-Z(Zは「ジジイ」のZだ!)へと変身させられたワタクシとグルーピー達は、いそいそとリムジンへと乗り込んだので有った。

リムジン内では、ロックバンドCのMさんがリミックスしたヒップホップが流れ、皆はシャンパン、筆者は炭酸水(笑)で乾杯。そしてパーティー会場の「The Fourth」に着くと、既に多くの友人達が待ち構えて居り、パーティーは始まった!

先ずは、今回のパーティーを快く引受けてくれたマルコとインゴとハグを交わし、友人達と握手を交わすと、友人のジャズ・ピアニストH女史とカメルーン人ヴォーカリスト、Gのライヴが始まる。その後は筆者の「ライフ・メンター」英国人Sの乾杯を経て、次々に受け取る心の篭った祝福とプレゼントの数々…キティちゃんミシン(!)やカフス、画集や小説、お菓子やケーキ、お酒や判子、アートや化石、そして下着や「10年前のピンナップ・カレンダー」迄!

アート・デザイン関係者、ライターやミュージシャン、シェフやキャスター等の凡そ70名は10時半過ぎ迄盛り上がったが、その後有志20人程がチェルシーの「B」で2次会、それでも物足りず腹も減った14名は、ミッドタウンの「T」に雪崩れ込み、3次会。

「T」では、「じぇじぇ」なる聞き慣れぬ言葉を覚えさせられた末、最後の最後に出て来た「塩焼き蕎麦」にはキャンドルが灯されて居て(笑)、筆者らしい大団円に大爆笑の末、孫一、もとい、Katsu-Zの「Half-Century BDP」は、深夜2時前の「三本締」で漸く目出度く終了。

皆さんのお陰で、最高にハッピーなBDと為りました…本当に有難う御座いました!

そして翌朝、プレゼント整理をした後の数時間睡眠後、フラフラの体でシャワーを浴びると、折角なので前夜頂いたばかりの、「マーク・ジェイコブス」のブリーフを「恐る恐る」履いてみる事に。

何故「恐る恐る」かと云うと、それは筆者が単にトランクス派で有ると云うだけで無く、体型がムッチリしているからで、こんな今時のオサレなブランド物のパンツは、如何にサイズがLだとは云え、「お尻が入らなかったらどうしよう?」と云う事だ。

が、其処は流石マーク・ジェイコブス!超カッコ良いデザインに加え、筆者のムッチリお尻も確り入り、こんな事を云っては何だが、素晴らしいフィット感(笑)。しかし着用したワタクシを見ると、ブリーフの広告で良く見る様なセクシーなモデルには決して見えず(当たり前だ!)、鏡の中に立っていたのは嘗て屋久島で間違えられた、「プロレスラー」で有った(涙)。

そして抜群のフィット感は、デカ尻の為に動く度に徐々に半ケツ化し、仕事中少しずつ捲れ上がって来るのだが、それもご愛嬌…ダイエットの良い口実で有る!

半世紀を経て「四捨五入」の階段を上がり、マーク・ジェイコブスのパンツを履いて、「Katsu-Z」として生まれ変わった孫一…此処にお祝いして下さった友人、同僚、クサマヨイ改め「マヨンセ」に大感謝をしながら、今日はこれ迄。

Yo men, thanks so much men! Love and Peace, XXX
Magoichi, A.K.A. Katsu-Z


PS:因みに、我が家に鎮座まします石造「ナンディ像」(ヒンズー教の神に仕える牛)は、現在「ヒップホップ仕様」となって居て、余りに可愛過ぎる(笑)。