Duality of Existance-Post Fukushima@Friedman Benda.

のっけから何だが、全く以って自民党は最低だ。

都議会で酷い女性差別野次を飛ばして置いて、辞職しない自民党都議。「金目」発言した石原のバカ息子。福島汚染水濃度の信じられない上方修正を許す、Mr."undercontrolled" 安倍晋三首相…何奴も此奴も自民党員だ。

序でに都議会では自民会派の反対に拠り、ヤジ発言者特定の決議案が否定された(そして、それを許す舛添も最悪最低だ!)。また、女性議員の外国記者クラブでの会見に「これ以上、何故世界に恥を晒すのだ」と責める人が居るらしいが、本末転倒も甚だしく、既に世界で赤っ恥をかいて居る訳だから、野次られた女性議員より此奴らを先に責めるべきだろう。

そして、この自民党員達のボスは、当然党首で有る安倍首相な訳で、それこそこれ以上世界に日本の恥を晒さない為に、率先して犯人捜しを指揮すべきでは無いか。

またサッカーのジャパン・ナショナル・チームは、残念ながら予想通り最下位で予選敗退し、サッカーですら此の体たらくなのに、「集団的自衛権」等と云う悪い意味での「オプティミズムの極み」を押し通そうとするこの国の指導者達は、如何なる理由の下でも、如何なる国と戦争をしても、我が国が勝てると本気で思って居るのだろうか?…で、この件に関して僕が昔経験した、或る話をしたい。

2年前に亡くなった僕の父は、バリバリの右翼的日本男児で、能を舞い、お茶を点て、浮世絵を研究し、そして合気道7段の強者だった。その上杖術も嗜んだ父の背丈は162cm.しか無かったが、本当に強い男だった。

僕は中学生の頃、その父親に「合気道を教えてくれ」と頼んだ事が有ったが、父の答えは「NO」…その理由は、「教えると、喧嘩に使うだろうから」と云う事だった。なので、父に「では、若し喧嘩に為ったらどうすれば良いのか?」と聞くと、「逃げろ」と云う。

「えっ…でも相手が追い駆けて来たら、どうする?」「逃げて逃げて、逃げ捲れ」…余りにも意外だった答えの理由を尋ねると、父はこう答えた。

「世の中には、『上には上が居る』物だ。自分が如何に強かろうが、相手が如何に小柄で痩せて居て、弱く見え様が、喧嘩に於いては決して相手を外見で判断しては為らない。そして喧嘩は『経験』が物を云う。自分を過信して喧嘩をすると、何時か必ず半殺しに合うぞ…だから喧嘩に為りそうに為ったら、逃げなさい。そうしないと、必ず後悔する。」

父の強さを知って居た僕は、その時の父の武道家特有の凄味の有る眼を今でも覚えて居たが、然しその教えを守り切れ無かった為に、学生時代、一度六本木で本当にボコボコにされた。相手は父の云った通り、気の弱そうな小柄な男だったが、然し空手の達人だった…其れ以来、僕は喧嘩をして居ない。

合気道7段の父が僕に云った、この「逃げろ」と「上には上が居る」、「自分を過信して喧嘩すると、必ず後悔する」と云った言葉は、余りにも真っ当で説得力が有るが、此れは当に「集団的自衛権」を押し通そうとする、喧嘩の経験の無い自信過剰な日本、そして恐らくは学生時代にたったの一度も喧嘩をした事の無い、或いはボコボコにされた事の無い安倍総理に、今こそ伝えたい言葉で有る。誰も「負け戦」等したくないのだから…。

と、長い怒りが収まらない侭、今日の本題。

今週は、チェルシー26丁目のギャラリー「Friedman Benda」で昨日オープンした、現代日本美術家のグループ・ショウ「Duality of Existance - Post Fukushima」の為に、日本からいらした方々と楽しい時を過ごす。

先ず火曜の夜は、チェルシーの行き付けのタパス屋「T」で、前夜祭&ウェルカム・ディナー。同展共同キュレーターで森美術館キュレーターの椿女史、山本現代の山本女史、アラタニウラノの浦野女史、アーティストは小谷元彦、岩崎貴宏、須賀悠介各氏と我が友インゴ・ギュンター、そして地獄夫婦の計9名で、旨い料理と痛快な会話を満喫。

そして昨日は、夕方からのギャラリー・オープンを前に、皆で杉本博司氏のお招きに拠るスタジオ&茶室見学ツアー。氏にはパリでの展覧会やヴェネチア・ビエンナーレ、新作の話等色々伺ったが、展覧会を記念しての「カイエ・ダール」通算100号と為る「杉本特集」(→http://www.cahiersdart.fr/)が素晴らしい。

「カイエ・ダール」通算100号記念号が日本人アーティスト特集と云うのも凄いが、作品紹介の美しいページ構成も然る事ながら、ハンス=ウルリッヒ・オブリストに拠るインタビューや、ジャック・ヘルツォークに拠る杉本評論等、内容充実の一冊…序でに茶室「今冥途」で、杉本氏作のヴェネチアン・ガラスで作った雅味溢れる茶碗も拝見し、大満足の訪問と為った。

そして愈々「Duality of Existance - Post Fukushima」(→http://www.friedmanbenda.com/exhibitions/duality-of-existence-post-fukushima/6)のオープニング。

椿さんとFriedman Bendaディレクター、ソーステン・アルバーツのキュレーションに拠る本展は、震災後を経験した日本人の肉体的・精神的リアリティが、インターネット社会と反応しながらどの様に現代美術に現れて居るか、を検証する試みだ。

出展作家は小谷元彦、岩崎貴宏、須賀悠介、梅沢和木、磯谷博史、佐藤雅晴、そしてChim↑Pomの7名…そして本展はギャラリーを入って正面に立つ、アメリカ・デビューを果たした須賀に拠るインスタレーション、「Meditator, 2013」から始まる。

須賀のこの迫力有る「ゴースト・ライダー」風スカルプチャー、余りにも美しい小谷の映像インスタレーション「A Deadman Sleeping」、銀閣寺をモティーフとした岩崎の繊細極まりない「Reflection Model」や「髪の毛で作った観覧車」等、見処満載の本展は、8月9日迄。

安倍内閣に拠って急激に右傾化する日本、性差別野次問題をうやむやにし、被災地を捨て置いた侭オリンピックを迎える東京…。

震災後の日本と日本人が向かっている方向を考えながら、其の方向に自分が同調或いは拒否して居るか、若しくは拒絶されて居るかを自問しながら、是非この展覧会を観て頂きたい。