秋の「印象派・近代絵画」の結果と「現代美術イヴニング」の展望。

日銀の追加金融緩和に拠って、円が暴落した。115円近辺迄落ちてるから、此方としてはニヤけざるを得ない(笑)。

が、こんな一時凌ぎで日本経済が復活すると、この人達は本気で思っているのだろうか?消費税を上げたら、「ハイ、それまでよ」…アベノミクスの化けの皮も、滔々剥がれる。もう知ーらないっと(笑)。序でに年内解散総選挙?…税金の無駄遣いも、いい加減にして欲しい(嘆)。

さて今日は、最近気に入ってる「日本に関わる」PVから…シカゴの4人組インディーズ・バンド「OK Go」の「I Won't Let You Down」(→http://m.youtube.com/watch?v=u1ZB_rGFyeU)だ!

4人がスタジオでホンダの「ユニカブ・ベータ」に乗り、カメラがそのスタジオ内から大空まで行く間全て「ワン・ショット」で撮られた、驚愕のマスゲーム映像をご堪能有れ!

と云う事で、此処からが本題。民主党が敗れて株価上昇した先週、ニューヨークで開催された「印象派・近代絵画イヴニング・セール」の結果からお伝えしよう。

先ずは、4日に開催されたサザビーズ…此方は73点中58点が売れ、総額4億2210万9999ドル(約485億4000万円)を売り上げた。

そのトップロットは、ジャコメッティの珍しくも重要な作品「Chariot」で、1億96万5000ドル(約116億4000万円)。高額第2位は、今シーズン僕のイチオシ作品だったモディリアニの石造「頭部」で、アーティスト・レコードを作っての7072万5000ドル(約81億3300万円)。以下ゴッホ、モネ2点、ピカソと高額トップ6が1000万ドル以上で売れ、強さを見せつけた。

翌晩開催の対するクリスティーズはと云うと、39ロットのオファーでBI(Bought In:不落札)はたった4点、売上総額は1億6563万5000ドル(約190億5000万円)を記録。

トップロットは、マネのニュー・アーティスト・レコードを作った「春」で、2500〜3500万ドルのエスティメイトに対し6512万5000ドル(約74億8800万円)…因みにこのモネは、ゲッティ美術館に拠って購入された。

高額作品は以下ジャコメッティ、ミロと続くが、1000万ドル以上で売れた作品はマネ1点と云う、少々寂しい結果と為り、今回の印象派サザビーズにやられて仕舞いました(涙)。

が、20年来知己の有る印象派コレクター曰く、今回のクリスティーズ印象派セールは、古き良き時代のセールの様で、それは数点の大名品の周りを質の良い絵が固め、皆がその大名品の高額落札に固唾を呑む(今回の場合は、マネがそれだ!)オークションだと云う。

古くからのコレクターにしてみれば、昨今のオークションは高額商品が多過ぎて、逆に興醒め感も有ると云う…分からない話でも無いが…。

閑話休題。そして今週開催の「現代美術イヴニング・セール」の方はと云うと、目玉揃いのクリスティーズは何と82点のオファーで、「Estimate on Request」と為って居る5点(!)以外に、16点もの「1000万ドル超」のエスティメイトの付いた作品が犇めく、モンスター・セールと為って居る(上で「分からないでもない」と云った舌も乾かない侭…苦笑)。

エスティメイトが付いている作品では、ベーコンの「Seated Figure(法王)」(→http://www.christies.com/lotfinder/paintings/francis-bacon-seated-figure-5846100-details.aspx?from=salesummary&intObjectID=5846100&sid=7b867e44-8a96-4dd1-9ec7-1c8bb93ea001)が4000万〜5000万ドルで最も高いが、その他にもフロイド、ウォーホル、ドイグ、トゥンブリー、リキテンスタイン、リヒター、デ・クーニング、クーンズ、クライン、ウール、ルシェ、キッペンバーガーが1000万ドル超の高額作品。

対するサザビーズは、79ロットのオファーで、1000万ドル超の作品は「Estimate on Request」を含めて8点。トップ・ロットは「Estimate on Request」と為って居るロスコだろうか。

そして実際に作品を観た僕のオススメは、やはりクリスティーズに出品される上記ベーコンの「Seated Figure」と、フロイド「Julie and Martin」(1500万〜2000万ドル)、「色」の入ったフランツ・クラインの「King Oliver」(2500万〜3500万ドル)、そして両社に数有ったウォーホルの中でも最もカッコ良かった、赤の「Self-Portrait」(1000〜1500万ドル)だろう!

オススメが全作品クリスティーズ出品作で申し訳ない気もするが、何せクオリティが高いのだから仕方が無い。

そしてそのクリスティーズロックフェラーセンターには、新設「ウエスト・ギャラリー」と一寸したカフェも出来たので、遊びがてら、何処の美術館にも負けないクオリティと数の現代美術を、無料で存分に楽しんで頂きたい。

沸騰する現代美術マーケットが、この数とクオリティ、そして金額を支えられるか?…勝負は今週火・水の夜だ!