12月25日（金：クリスマス）
12:00 嘗て若い頃この店に良く来て居た友人と、久々に「L」でダッシュ・ランチ。旨い珈琲とクロックムッシュを頂き、お互いに近況報告。
13:30 白金アート・コンプレックスに向かい、W氏から強力に勧められた、アラタニウラノで開催中の梅津庸一「ラムからマトン」展と、その足でミサ・シン・ギャラリーの展覧会「The Road Not Taken」を観る。小沢剛の作品「新なすび画廊」の中で、1つ欲しいのが有ったが、財布はそれを許さない（涙）。
16:00 都内ホテルのラウンジで、某氏に紹介された、ニューヨークで個展を開きたいと願う日本画家に会う。話の途中でその画家が代官山の女王の絵画教室の先輩と判り、世間の狭さを感じる。現代琳派系デザイン風の大画面絵画は、若しかしたらアメリカで売れるかも知れない。
17:00 ディーラーO、W、T各氏を訪ね、年末のご挨拶。O氏の所では、偶々居らしたコレクターのアナザーO氏を紹介される。W氏が買われたと云う井戸脇茶碗を観てみたい。
18:30 顧客T氏＋K君との和ジビエを食す恒例の「男3人忘年会」を、六本木の店「M」で。今年の日程調整は可成り難しかったのだが、「いや、24日か25日なら良いよ…」と「クリボッチ」3人の予定が一致したこの日、複数形と為った我々「クリボッツ」（笑）は、鹿焼→キノコ焼→金目鯛焼→熊焼→真鴨焼→猪熊鍋→水飩と、ジビエ・フルコースを頂く。
21:00 その後六本木のクラブを経て、久々に行った西麻布の会員制ラウンジで、「クリスマスなんか、滅びて仕舞え〜！」と雄叫びを上げながらのカラオケ。時計が24時を廻ると、我ら「クリボッツ・クリスマス撲滅同盟」は万歳をし、日が変わり年を1つ取ったK君の誕生日祝いを深夜迄執り行う。
12月26日（土）
14:00 山田洋次監督作品「母と暮らせば」を六本木で観る。山田の反戦への思い入れは分かるが、作品と台詞は一寸執拗過ぎるし、吉永は顔を引っ張り過ぎ…が、悔しいけれど、黒木華が魅力的。戦争云々よりも、息子に先立たれた母親がたった1人で逝く様を観て、さめざめと泣く。
18:30 東京タワーを見上げるステーキハウス「W」で、能楽界・梨園に詳しい友人とディナー。ラムもステーキも旨い。その後「L」に赴き珈琲とチーズケーキを頂きながら、両古典芸能界の驚くべき話を色々聞く。全く以って役者って奴は…（嘆）。
12月27日（日）
15:30 都内某所で能面・能装束のコレクションを観る。其処で偶然にも狂言方N師や、前週お会いした宝塚トップスターのOさんとバッタリ。矢張り世間は狭い。
20:00 浅草の「S」と云うカラオケ・スナック、と云うよりは「小劇場」（何しろ舞台はせり上がるし、スモーク・桜吹雪・雪は当たり前、舞台裏にはコスプレ・小道具が超充実）で開催された、某世界的現代美術家S＋建築家I両氏共催の「アート vs. 建築：年忘れカラオケ大会」に参戦。総勢4-50人で、司会は有名編集者のT氏。現代美術家氏に拠ると、建築家氏は「クマに襲われ、傷つけられた為」欠席との事だが、然し建築家チームもT氏やI氏が奮闘し、盛り上がりは最高潮。僕は学生服にランドセル姿と為り、一寸アブないセーラー服姿の代官山女王（笑）と「カナダからの手紙」を唄う。然しS氏の企画は何時もスゴい。
12月28日（月）
11:15 急に久し振りに神保町「B」のカレーが食べたくなり、 急いで行くが、既に長蛇の列。然し其処はお1人様の強みで、程無くビーフカレーを頂く…嗚呼、旨い！一気食いの後、その足でアート系古書店「K」 に行き、欲しかった画集を購入。
14:00 家の片付けを始めるが、散らかして居た図録を見始めて仕舞い、イマイチ気が乗らず。今年中に何とかせねば。
17:30 KGBと対決しに行くジェイムズ・ボンドの気分で（笑）、仏文学者からお誘いを受けた松田華音さんのピアノ・リサイタル@ロシア大使館へ。未だ19歳のピアニスト、松田さんは細く小さく美しいピアニストで、幼稚園児の時代からロシアでピアノを弾いて居るとの事。華音さんはショパンやラフマニノフ等を弾いたが、個人的には彼女は「ショパン弾き」では無い感じで、スクリャービンの演奏が一番良かった。その後のレセプションでは、書記官始め数多の人を紹介されたが、全ゲストの中で僕だけが黒スーツに白皮スニーカーだった事に、或る種の誇りを覚える（別にドレス・コードも無かったし：笑）。
20:00 新宿歌舞伎町のオバチャン中華「G」で、年末恒例の僕主催のアート系忘年会「タマラン会」（これからそう呼ぼう）。今回もアーティストや写真家、キュレイターやデザイナー、ギャラリスト、建築家、オークショニア、編集者、ギタリスト、僧侶、国家公務員、コレクター弁護士等26名が参加し、酒池肉林の宴と為る（ウソ）。オバチャンが元気そうで安心する。
23:30 「タマラン会」は一応お開きと為ったが、当然それでは物足りず、半数が2次会のカラオケへ行き、歌い捲る。何時もはTっつあんが唄う清志郎の「スローバラード」を、新年からニューヨーク・ペロタンで個展が始まるK氏が、この晩は何故か早々とバッくれたTっつあんに代わり熱唱…K氏の「スローバラード」の余りの素晴らしさに大感動する。
26:00 カラオケメンの多数が空腹を訴え、ラーメンを喰おうと云う話に為ったが、店が見つからず、何と「G」に戻る事に。が、麺類を頼んだ後、急に店の電気が落ちて真っ暗と為り、オバチャン始め店内大パニック…相変わらずこの店はオモシロスグル。27:30頃に漸く終了。皆さん、お疲れ様でした。
12月29日（火）
10:30 知人から貰った、伊集院静著「追いかけるな：大人の流儀5」を読了。「追いかけない」のは大事かも知れない、と思ふ…追いかければ追いかける程、逃げる物が有るのは確か。
12:00 代官山「O」で、母とランチ。風邪が良くなって食欲の有る姿に安堵しながら、表面張力で一杯一杯に為った上に山の様にクルトンを入れて、今年最後のポタージュを堪能する…この一杯を飲む為に人生を頑張る（笑）、と云っても過言では無い程旨い。
18:00 銀座の洋食店「D」で、今年大変お世話に為った顧客と食事。本格的フレンチの最後に、旨い「キーマカレー」が出て来る処がスゴい。その後は顧客行き付けの今銀座で最も流行って居ると云う、高級クラブ「F」へ。今年最終日と有ってか、超満員…日本の経済は一体どう為っとるんだ？
と云う事で、今年も後2日。来年は申年なので、「『去る』モノ追わず」…「追いかけない」事を目標にしようか、とも思う年の瀬です。
皆さん、どうぞ良いお年を！
ーお知らせー
＊Gift社刊雑誌「Dress」にて「アートの深層」連載中。12/1発売の1月号は、世界的日本人「コスモポリタン」、「ヨーコ・オノ」に就て。
