猛暑下動向。

7月3日(日)
7:00 余りの暑さと時差ボケの中、寝たか寝ないか判らない侭、起床。前日、成田に着いた飛行機のドアが開いた時に肌で感じた、まるでバリ島の如き湿気を思い出し、辟易する。

8:00 ダッカでのテロで、日本人が撃たれた事をニュースで知る。そして犠牲者の方が、撃たれる前に「I'm Japanese, don't shoot!」と云い、命乞いをしたらしい事を聞く。撃たれた方は本当に気の毒で、心より御冥福をお祈りしたい。が、そういった場所に派遣する政府為り会社なりは、日本人(外国人)だからこそ狙われる可能性が高いのだという事を、社員に徹底的に知らせるべきだろう。

12:30 酷暑の中乃木坂に向かい、友人と「C」でランチ…一番少量のコースを頼むが、余りの暑さの為、個人的夏の風物詩で有る大好物の「カラスミの冷製カッペリーニ」を追加する。鳴呼、極旨

14:00 21_21Design Sightで開催中の「土木展」を観る。土木工事を「デザイン」として見る着眼点が面白い。工場萌えや廃墟萌えが居る位だから、「重機萌え」も居るに違い無い(笑)。

19:00 如何しても焼肉が食べたく為り、友人と銀座「U」に赴く。此処の「ザブトン」は秀逸過ぐる。


7月4日(独立記念日・月)
9:00 ニューヨークの今日は独立記念日でお休みだが、僕は東京支社に出社し、今回の来日の大目的たるプレゼンの下打ち合わせをする。然し「連休パー」は痛い。

10:30 クライアントが来社し、プレゼンを行う…厳しい。

12:30 20年以上の付き合いの長い同僚と、久々のランチをし語り合う。人生色々。

14:30 骨董商の顧客を訪ね、蕪村と大雅の屏風に関する打ち合わせ。この時に出された唐津の平茶碗が余りに素晴らしくて欲しく為るが、財布が僕の云う事等聴く筈も無い。

19:00 西麻布の鰻屋「I」でディナー。鰻巻、肝焼、白焼、鰻重のフル・コースを頂くが、実はそのディナー前に時間が余り、近くの老舗イタリアン「C」でケーキを食べて仕舞った事を回想し、その事をマリアナ海溝並みに深く後悔する。


7月5日(火)
9:30 運転免許証の更新。ゴールド免許なので、都心の警察署で簡単便利。然し、何故講習の教官とはあんなに愛想が無いのだろう?

12:00 某骨董誌編集長氏と、青山でランチ。骨董の話も然る事ながら、政治の話で盛り上がる…流石元首相秘書官。

14:00 京橋の骨董商を2件訪ね、木彫仏や御正体等を拝見する。手の良い興福寺千体仏や、藤末鎌初の黒い菩薩像に惹かれる。嗚呼、最近買ってないなぁ…。

15:00 某美術館の方々が来社し、プライヴェート・セール用の或る重要作品を御覧になる。「この作品」は「この美術館」に行くべき物なので、何とか売買成立させたい。

16:30 都内某ホテルにて、クライアントと某コレクションに関する打ち合わせ…だったのだが、早く着いて仕舞ったので、時間を潰すと云う大義名分の下、このホテル名物のデザートを注文し急いでパクつく。が、食べて居る最中に早目に到着した顧客が登場してしまい、誠に恥ずかしい思いをする(涙)。

18:00 アーティストT氏とそのアシスタントのSさんが来社し、杉本博司氏がデザインした当社東京オフィスを見学。

20:30 その後3人で五反田の寿司屋「I」に移動し、美味しいお寿司を頬張る…至福のひと時だった。


7月6日(水)
10:30 顧客から某日本美術作品を受け取り、偶々滞日中の外国人コレクターの代理人に見せるが、残念ながら購入に至らず。

11:30 都内某ホテルの天麩羅屋「Y」で、政治ロビー活動を行って居る某IT社長と食事。此処でも話は選挙に終始するが、今現在大徳寺聚光院の襖絵が京博から戻って居る事を聞き、それを見る為の旅のプランを一緒に練る。

13:30 銀座メゾン・エルメス・フォーラムで開催中の展覧会、「奥村優樹による高橋尚愛」展を観る。フォンタナやラウシェンバーグのアシスタントを務めたこの高橋尚愛と云うアーティストに関しては、彼の作品を以前ショーン・ケリーの所で観て居るが(→拙ダイアリー:「『アート』より『あんこ』」参照)、高橋本人とのインタビューを含めた奥村の協働リサーチ・ワークは、大変興味深い。

16:30 有名骨董商を訪れた後、同じビルに在るのオオタ・ファインアーツを訪ね、「草間彌生モノクローム」展を観る。草間氏が新作をこれだけ精力的に描いて居るのには、驚く他無い…このまま彼女は、120歳位迄描き続けるのでは無いか?

18:00 恵比寿ガーデンシネマにて、アカデミー外国語映画賞候補作品にも為った、デニズ・ガムゼ・エルギュヴェン監督作品「裸足の季節」を友人と観る。トルコ人女性監督に拠るこの「反逆の物語」は、何と美しい芸術作品なのだ!そして本作に見るイスラーム文化圏の、然も田舎町での「女性の立場」とはとても信じ難い物だが、これが現実なのだろう。

20:00 映画鑑賞後は、六本木のK夫妻の中華料理店「K」でディナー。黒酢酢豚やニラとホタテ炒め等、相変わらず美味過ぎる。こんな隠れ家で美味しく有難い店は、心底大事にしたい。


7月7日(七夕・木)
8:00 ニュースで昨日東京が36.7度だった事を知り、道理で体が空気に同化して居る気がした筈だ、と納得する。微熱状態と云えば聞こえは良いが、そんなロマンティックなモノじゃない。

10:00 実家の在る街の役所に行き、参院選の事前投票をする…当然「非自公」。最近、こうなったらと思い、僕はトランプ大統領を熱望して居る。彼が米大統領に為り、日本を突き放す事こそが、日本人に自国の事を真剣に考えさせる唯一の方法では無いか?

12:00 その足で実家に帰り、久し振りに母親の手作り料理を頂く。メニューはコシの有る讃岐ざる饂飩と、野菜天婦羅。母が元気そうで一安心。

16:00 都内某ホテルのラウンジで、ギャラリー勤務の若い友人の悩み相談を受ける。好きな事を仕事として生きて行くのは難しい…が、好きで無い仕事をして生き延びるより、余程マシだ。そして正義は、必ず実行されねば為らない。

17:00 老舗骨董店で、軸装された某重要中世絵画を顧客と共に観る。この作品の「ツレらしきモノ」を僕の顧客が持って居るのだが、紙や修復跡、筆致や線が非常に近く、「ツレ」に間違い無い事を確認…希望が出て来た。

19:00 某ホテル内の寿司店「K」で、アーティストとディナー。この店とは長い付き合いなので、隠し事等出来ないのだが、その分気の置けないハッピーな店で、寿司屋とはかく有るべきと思う。その後は、隣のカフェ「S」で「アイス・モンブラン」を頂く…アイスの部分がヨーグルト・シャーベットっぽくて、意外なアッサリ感が良い。マロンちゃんとしては、秋が待ち遠し過ぎる。


石田純一都知事選に出るそうな。然も「野党統一候補なら」って…終わってるな、我が国日本。


*お知らせ*
2016年12月16日、19:00-20:30、ワタリウム美術館での「2016 山田寅次郎研究会4:山田寅次郎著『土耳古画考』の再考」 に、ゲスト・コメンテーターとして登壇します。詳しくは→http://www.watarium.co.jp/lec_trajirou/Torajiro2016-SideAB_outline.pdf