バースデー周辺動向。

7月24日(日)
23:00 NH103便で来日後、神田明神にお参りし、漸く東京の自宅に着く。余りの涼しさに吃驚。この月3度目のNY〜成田線搭乗だったので、機内で観る物が無く、仕方無くビデオ・プログラムに入って居た「天皇の料理番」を観たら、これが存外面白く、3話迄観て仕舞う。佐藤健黒木華が中々良いが、特に黒木の目の演技が泣かせる。


7月25日(月)
6:00 時差ボケらしく起床。青汁シェイクを飲みながら、読み掛けの澤田瞳子著「若冲」を読む。

11:00 友人と原宿の「B」でブランチ。お目当のパンケーキやサラダに舌鼓。その後銀座に出て、コバヤシ画廊で開催中の「村上早展」を観る。メルヘンぽい版画作品だが、画題は残酷で、一寸ケントリッジを思わせる作風。

14:30 丸ビルで審査中の「Art Award Tokyo Marunouchi 2016」を見学し、小山さん等に会う。

20:30 ビルボード・ライブ東京に向かい、友人と食事をしながらロバート・グラスパー・エクスペリメントを観る。グラスパーは見る度に太って居る様に思えるが、すっかりリバウンドした僕も、恐らくそう見えて居るに相違ない(涙)。演奏は可も無く不可も無く…アンコールも遣らない程。


7月26日(火)
9:00 観世宗家のNY公演に就て、新聞社からの電話インタビューを受ける。

11:00 ミヅマ・アートギャラリーで開催中の「会田誠展 はかない事を夢もうでないか、そうして、事物の美しい愚かさについて思いめぐらそうではないか。」を観る。弁当容器に、カラフルな絵の具を便の様に盛った新作群は、今迄の会田誠とは乖離。

12:00 母と紀尾井町の「R」でランチ。鮎を頂く。

14:00 若宗匠から強く勧められた、日本橋三越での「七代加藤幸兵衛・加藤亮太郎父子展」の最終日に駆け込み、亮太郎氏にお話を聞きながら、天遊卓でお茶も頂く。桃山の雰囲気抜群な引出し黒や黄瀬戸を拝見したが、個人的には「椿手」に興味津々。

17:00 ワタリウム美術館で開催中の「没後10年ナムジュン・パイク展 2020年笑っているのは誰?+?=⁇」を観る。かなり気合の入った展示を浩一氏に案内して頂き、共同キュレーションの渡辺真也君にも会う。後期は秋との事…然し、ナムジュンの作品は今見ても全然古く無く、それは当時の彼の作品が、少なくとも20年先を行って居たからなのだろう。

19:00 青山「D」で友人と食事。季節感たっぷりの、美味過ぎるシシリアンを堪能。


7月27日(水)
9:00 定期健康診断。嗚呼、我がコレステロールの値や如何に…?

12:00 顧客と銀座「G」でランチ。旨過ぎるパリソワとハンバーグ、洋梨のシャルロットを頂く。

15:00 突然ブッ壊れた冷蔵庫を買いに、家電量販店へ。聞くとデリバリー迄3日掛かると云う…然し、真夏の冷蔵庫の故障程、困る事は無い。

16:00 渋谷の東急横、「アツコバルー」で開催中の「『神は局部に宿る』都築響一presentsエロトピア・ジャパン」を観る。が、その観覧中に酷い痛みを伴う座骨神経痛が発症し、一時エロエロな展示会場で全く動けなくなる。エロな会場で顔を歪め、脂汗を流して立ち尽くす50男…こっちの方が恥ずかし過ぎる。

19:00 余りの痛さの為上手く歩けない侭、必死の思いで帰宅するが、この晩楽しみにしていた茶人とクラシック・ギタリストとのディナー@「M」をキャンセルせざるを得ず、ふて寝する(涙)。


7月28日(木)
13:00 痛み止めを飲みながら、某顧客の所で韓国美術の査定。

14:30 その後有名古美術店で話をするが、その後1日使い物にならず。


7月29日(金)
10:00 座骨神経痛の痛みが和らぎ、お墓参りへ…53迄「生かせて呉れた」ご先祖様に感謝する。

11:30 住民票の有る市役所へ行き、都知事選の事前投票。入れたのは予想得票トップ3以外の候補だったが、どうせ「極右女史」が勝つんだろう…が、過去に財政破綻させた、自民ドップリの地方知事よりはマシかも知れない。

17:30 森美術館「宇宙と芸術展:かぐや姫ダ・ヴィンチ、チームラボ」のオープニング・レセプションへ…担当した椿女史に何とかお祝いを告げる事が出来たが、余りに多くの人と話をした為、異常に疲れる。展覧会はもう一度観ねば為らない。

19:00 森美会場で会った代官山のベルナール親娘と、三田から移転した沖縄料理店「A」で食事。此処は味は美味いのだが、店員が「ウチは沖縄料理点店では無く、日本料理です」と言い張るのが意味不明…一体何故だ?

24:00 53歳になる。目出度いような、目出度く無い様な。


7月30日(土)
12:30 現在はやんごとなき方のお世話をされて居る方や、引退後バリ島生活を経て悠々自適な方等の、クリスティーズ・ジャパンOG達と会食。女4対男1の会食は、嘗て僕がジャパン・オフィスに勤めて居た頃を思い出させたが、年取った所為か昔程怖くは無かった(笑)。

15:00 Maho Kubota Galleryで、NYの友人安部典子さんの展覧会「日々変容するカッティングの連続」の最終日を駆け込み鑑賞。小品から大作インスタレーション迄、見所満載だった。

19:00 アーティストの友人と銀座の「T」で、寿司を摘む。誕生日は寿司に限る。


7月31日(日)
14:30 国立能楽堂で開催された、「第22回能楽座自主公演 観世豊純・曽和博朗・宝生閑 偲ぶ会」を観る。この日の朝出た新聞(→http://www.sankei.com/entertainments/news/160731/ent1607310015-n1.html)で、僕の名前を見つけた数人に声掛けられ、恐縮。公演の方は梅若玄祥師の舞囃子西行桜」から始まり、宝生欣弥師の謡「摂待」、茂山千五郎師の独吟「細雪」、野村万作師の小舞「祐膳」、片山九郎右衛門師の仕舞「野守」、塩津哲生師の舞囃子頼政」、野村萬師の狂言「八句連歌」を経て、お能は大槻文蔵師と観世銕之丞師の「天鼓」。玄祥師が実に素晴らしかった。

18:30 お能に一緒に行った友人と2日連続の寿司を「K」に食べに行き、板さん達にいぢめられながらも結構頂いて仕舞う…僕ってMかも(笑)。


8月1日(月)
10:00 新品冷蔵庫到来。新しい電化製品(特に白物)とは、何と清々しい物なのだろう!

12:00 某アーティストと弟の店「神田いるさ」でランチ。弟と僕が余りに似て居ないので、ビックリされる。

14:00 在某有名コレクションを一括して買いたい顧客との打ち合わせ。大きい仕事は一筋縄では行かない…が、遣り甲斐は有る。


8月2日(火)
4:30 死に物狂いで起床し、6:00発ののぞみ1号で大阪へ。

9:00 某クライアントの所で、来年3月にNYでオークションに掛ける作品の集荷。良い作品は何度見ても興奮する物だ。

16:30 京都に移動し、顧客と打ち合わせの後、木屋町の行き着け「H」でディナー。相方を亡くした親父さんが元気だったので、安心しながら鱧や鮎、目板鰈や丸雑炊等に舌鼓を打つ。

21:00 この日は自分へのバースデー・プレゼントとして、自腹で一泊だけリッツ・カールトンに泊まってみる。中々素晴らしいホテルだったが、価格がかなり高いのと、翌朝のチェックアウト時にフロントに1人しか居らず、長々と待たされた事が難。それと何度も英語で話しかけられたのが、不可解極まり無い想い…ん、不可解じゃ無いか?(笑)


8月3日(水)
9:00 朝から高台寺を散策…傘亭や時雨亭を久々に訪れる。その後は祇園に戻り、夏の風物詩「K」の葛切を頂く。

12:00 某重要人物との食事の為、南禅寺の料亭「H」へ。懐石コースは相変わらず美味しかったのだが、隣の部屋の客の携帯がメッセージが来る度に大きな着信音がし、興醒め。厠に行く際、その部屋の戸が開いて居たのでチラ見すると、短パン姿の中国人らしき客が携帯操作に夢中…これだけ老舗の料亭なのだから、昼とはいえドレス・コードやマナー・コードを設けるべきでは無いか?例えば、僕の知って居るロンドンのホテル・リッツは、(今は違うかも知れないが…)有名ロック・ミュージシャンにもロビーでのジーンズ姿を許可しない。またオリエント急行内でのドレス・コードは、パンフレットに「当オリエント・エクスプレスは、お客様に大業なお願いは致しません…ディナー時にはジャケットだけご着用下さい」と有っても、実際乗ってみると、ディナー時の男性客は全員タキシード+ブラックタイなのだ。「老舗」とはそう云う所なのでは無いだろうか?何でも平等にするのが文化では無い。

15:00 在京都の某大学で、アーティストの学科長と来年の講座の打ち合わせ。新入生を教えると云う新しい体験に、今から胸躍る。

18:30 和食に飽きたので、祇園近くの鱶鰭店「P」で、黒酢酢豚や鱶鰭麺、黒担々麺、杏仁豆腐等を頂く。が、メニューを見ると、大好きだった「冷やし担々麺」が何時の間にか消えて無くなって居て、大ショック。厨房の謎の中国人っぽいオジサン(日本人だけど:笑)に聞いたら、「止めちゃったんですよ…でも云って呉れれば、作りますよ」との事。おいおい、何だよ…でも超嬉しい(笑)。


そして未だ僕は京都…暑い夏は続く。


*お知らせ*
2016年12月16日、19:00-20:30、ワタリウム美術館での「2016 山田寅次郎研究会4:山田寅次郎著『土耳古画考』の再考」 に、ゲスト・コメンテーターとして登壇します。詳しくは→http://www.watarium.co.jp/lec_trajirou/Torajiro2016-SideAB_outline.pdf