「一国は一人を以て興り、一人を以て亡ぶ」。

外出自粛の日々、僕の会社はシフト出勤制から在宅勤務に変わり、緊急事態宣言が出る前から、顧客に会う回数や会食も極力少なくした為に、僕の生活も一変した。 数ヶ月間の給料カットを受け入れ、外食の回数を圧倒的に減らす事に拠って家ご飯が増え、序でにダ…

「狂人走れば不狂人走る」。

少し前に雨から雪に変わった、外出自粛要請の週末2日目の東京。 ウィルスを抑え込んでくれと祈りたく為る様な、窓から見る吹雪き始めた美しい雪景色とは反対に、僕の心は途轍も無く殺伐として居て、それはコロナウィルスの蔓延の事実よりも我が国のリーダー…

「人生は地獄より地獄的である」。

先週末、本当に久し振りに映画「地獄変」をDVDで観た。 1969年東宝製作、豊田四郎監督の本作は、ご存知芥川龍之介が宇治拾遺物語から題材を取った同名短編を基にした、彼の「芸術至上主義」を具現する作品。 主演の渡来人絵師に仲代達矢、藤原道長をモデルと…

機内からの「ロンドン・セール」報告、或いは「ラスト・ディール」。

ごぶサタデー(古っ)。今日は、フランクフルトからの機内から。 と云う事で、先ずは本の御報告から。拙著「美意識の値段」(→https://shinsho.shueisha.co.jp/kikan/1008-b/)が、ジワってジワって重版を経て、何と「3刷」と為った! これも全ては本書を読…

恭賀新年、そして「命日」の出版。

遅れ馳せながら、恭賀新年。 「今年も凡ゆる芸術を観て歩こう!」と心に決めた物の、昨年末30日から正月5日迄インフルエンザA型に罹って倒れて仕舞った。 当然、毎年恒例の谷中の禅堂での除夜の鐘撞きや、氏神様で有る神田明神での新年昇殿参拝も出来ずに、…

嵐の中、「餘技」を考える。

ワールドカップ・ラグビー日本代表が、大熱戦の末スコットランドに勝ち、史上初のベスト8入りを果たした。 今日の勝利はその試合内容と共に、それはそれは凄い事で、日本ラグビーのクオリティも此処迄来たか!と云う感じだった。凄いぞ、ジャパンチーム! さ…

現代美術は寛容に、そして冷静に。

昔、某老舗骨董店の番頭さんに、こんな話を聞いた事が有る。 或る日の昼下がり、その老舗骨董店ではその頃未だ若い店員だった番頭さんが、主人の留守を預かって店番をして居た。するとポロシャツにジーンズを穿き、無精髭を生やした体の大きな外国人がもそっ…

「美獣」の死と、最近の藝術見聞。

今日は、超個人的に残念な悲報から。 決して「ハンサム」とは云えない「ハンサム」(笑)が亡くなった…その「ハンサム」とは、プロレス元NWA世界ヘビー級王者のハリー・レイス、享年76歳。 さて僕が高校時代大好きだった全日本プロレスには、NWAを中心とした…

「象」も「虎」も「美人」も…皆幸福な「里帰り」。

皆様、4ヶ月間のご無沙汰です…桂屋孫一で御座います(玉置宏調で:笑)。 昨年10月に仕事上の立場が変わってから多忙を極めて仕舞い、3月に漸く「はてなブログ」への移行を終えて更新して以来、何と4ヶ月振りのダイアリー。 今回は、僕のキャリアでも非常に…

守護天使「ウンベルト」との再会。

ご無沙汰致しました…。 この「トウキョウ・アート・ダイアリー」も、「はてなダイアリー」から「はてなブログ」へと晴れて移行した。 これからも宜しくお願い申し上げ奉りまする。 と云う事で、久々の更新はこれも久々のロンドン出張の事を。 4、5年振りに訪…

謹賀新年、或いは「龍安寺」に里帰りした襖絵。

新年明けまして、お目出度う御座りまする。本年も宜しくお願い奉り候。 気が付けばこのダイアリー、何と2ヶ月半も更新せず…僕に取って、こんなに長い期間の非更新は初めてなのだが、これは単に10月に起こった青天の霹靂の人事異動の所為で有る。なので、新年…

教えて、ゴン太くん。

先ずは、最近の2つのアートの話題に就いて。然し何故日本のメディアは、某オークション会社に於けるバンクシーの「茶番劇」に此処迄騙され、間抜け極まり無い報道を続けるのだろう?ヴィデオを見れば、あの作品が裁断された時、オークションハウスの社員は誰…

骨折り損の…。

「有言不実行」の代名詞で有る安倍晋三が勝って仕舞い、「言論の自由」の真の意味も知らない新潮45の様な雑誌が平気で出版される(新潮45があの杉田擁護論文掲載を「言論の自由を守る為」と言い訳するなら、現代社会で適用されて居る「差別用語規制」を全撤…

最後は「南洲遺訓」で。

8月も気が付けば、もう後1週間弱…と言う訳で、今回は今月経験した「藝術覚書」を。 ーアートー ・棚田康司「全裸と布」@ミズマ・アート・ギャラリー:棚田康司の新作展はキリスト教彫刻、或いは日本の神像を思わせる程、何故か知らねど「神聖さ」をも感じさ…

1+1+1=0.5?

7月18日(水) 10:00 電話会議。然し何度やっても、英語での電話会議は苦手だ。人の顔を見て話せば、その顔つきや息遣い、或いは身振り手振りでより理解が深まるが、例えば英国或いは香港訛りの強い人や、早口の人等の意見を耳だけで聞いて理解し、コメント…

世が世なら…。

7月2日(月) 14:00 東博で開催される特別展「縄文ー1万年の美の鼓動」のオープニング・レセプションへ。ここ数年骨董業界は「縄文」ブームで、オークションでもアートフェアでも、土器破片から土偶迄かなり高額に為った。そんな中開催された本展には、「ビ…

揺蕩わない心。

気が付けば、ダイアリーの更新もひと月出来ずに、7月に為って居た…ので、今日は先月の藝術+α体験を。 ー音楽ー ・「青少年名曲コンサート」@静岡市民文化会館:友人の招待で訪れた、静岡交響楽団の映画音楽+クラシックの音楽会。後半は日本人大好きのドボ…

「インターステラー理論」のお陰。

5月14日(月) 11:00 僕が審査員を務めた、昨年の「青森トリエンナーレ:棟方志功国際版画大賞」の入賞者、山田ひかるさんの展覧会へ。女子高生を主人公にした少々エグいテーマで有ったりもするが、サー・ジョン・エヴァレット・ミレーの名作「オフィーリア…

「熊野(ゆや)」な日々。

4月21日(土) 17:00 某オークションの或るロットが気に為って電話ビッドをするが、儘為らない…残念だった様な、良かった様な(笑)。19:00 Terada Art Complexのオープニングへ。先ずは3FのURANO…梅津庸一キュレーションのグループ展「共同体について」。梅…

清婉峭雅。

然し最近溜息しか出ないのは、今世間を騒がせて居る財務次官やら国税庁長官、新潟県知事が全員東大卒で、しつこい様だがその人生の大半を我々国民・県民の税金で生きて来た、と言う事実。こんな連中が「我が国を動かしている面」していると思うと、実に腹立…

The Shape of You.

3月11日(日) 9:00 今日で7回目の3.11。窓から見える富士山、祖母からの不動明王像に黙祷する。12:00 お彼岸前にと思い、父の墓参へ。いつも駅から霊園にタクシーで行き、入口の花屋で待って貰って居て花を買うのだが、この日も花を選んで「すみません〜」…

「室町の名残」に遊んだ1日。

国会で1年以上も嘘を突き通された末に、森友問題が漸く動き出した。然しそう為ると、森友・加計問題が1つの争点だった去年の衆院選も、国民が国会で嘘の答弁を信じた末の投票結果だった訳だから、遣り直さねば為らないのでは無かろうか?今こそ「国民の信」…

芸術と政治に於ける「スクラップ&ビルド」。

先ずは、超嬉しいお目出度いニュースから。敬愛する現代美術家、西野達氏が文科省芸術選奨文科大臣賞を受賞した!遅過ぎの感は有るが、達さんの仕事が国から「も」認められたのが、我が事の様に本当に嬉しい!今からお祝いの飲み会が楽しみスグル。達さん、…

大和屋、ラフマニノフ、六地蔵と、人生の無常と。

今僕はメインの仕事の他に美大の客員教授、また日本文化系財団・学会等の理事を3つ程やらせて頂いて居るのだが、最近もう一つ新しくも興味深いお仕事が…。それは某官庁から仰せ付かった、政府制度研究会の委員。初会合にお邪魔すると、僕以外には大学教授や…

不感症、神の法、森、そして幻の女。

最近の僕は、風邪気味では有っても、僕独自の「インターステラー理論」の実践に因って、時の流れをゆっくりとさせ、周りを見渡す時間を作る事に専念する。そして、その実践は仕事に於いても芸術鑑賞に於いても然り…と云う事で、今日は最近の体験芸術一覧。 …

夢のあとに。

1月6日(土) 15:00 原美術館に行き、この日から始まった展覧会「現代美術に魅せられてー原俊夫による原美術館コレクション展」を観る。館のW女史に拠ると、本展は80歳を超えても尚お元気な原館長が、50年代以降集めた約1000点の収蔵品の中から、館長自らが…

「過ぎ去った青春の残り香」の力。

12月26日(火) 12:00 某ホテルの寿司店「K」で、母と従姉妹の娘(これを「従姉妹半」と呼ぶのか?)とランチ。相変わらず光物から注文を始めるが、海胆の段に為ると、板さんが今日はバフンウニとムラサキウニが有ると云う。バフンウニは「馬糞海胆」と書く…

大嫌いなクリスマスと「誰もして居ない時計」店。

12月16日(土) 16:00 某美術館地下のショップ店内をブラブラ見て歩いて居たら、片隅に何やら変わった時計が並んで居るケースが有った。「あれ、前からこんなの売ってたかな?」と思いつつ眺めて居ると、店主らしき人が出て来て云うには、今考えれば謂わば「…

「インターステラー理論」を実践する。

12月4日(月) 19:00 友人と久々の中華「K」へ。Kさんご夫妻もお元気そうで安心しながら、相変わらず超美味しい「胡麻麺」や「蒸し豚薬膳ソース」等を堪能する。帰り掛けには、この冬から着て居る軽くて暖かいヨウジ・ヤマモトのフード付きコートを褒められ…

体験藝術覚書。

ー展覧会ー ・「Aomori Printトリエンナーレ2017」審査会:「棟方志功国際版画大賞」の審査員を仰せ遣い、雪降る青森に向かう。今回の応募作は凡そ170点で、技法も木版・エッチング・リト・インクジェット・エングレーヴィング等様々、テーマも古典的な物か…