2015-01-01から1年間の記事一覧

Revenge of Robert Glasper@Blue Note.

今日は先ずはお知らせから…。僕がコラム「アートの深層」を連載している女性誌「Dress」8月号は、7/1発売。今月のお題は「途中下車する人」…アートと広告の両領域で活躍する写真家、上田義彦氏の展覧会を取り上げて居ます。是非ご一読下さい!さて、アメリカ…

「正義の行使」と美術品の「在るべき場所」:"Woman in Gold (「黄金のアデーレ 名画の帰還」)。

此処の所ニューヨークは涼しく、過ごし易い。そんな気候にも助けられ、時差ボケと上手く付き合いながら何とか1週間を過ごしたが、先週末は久々にSOHOに出掛け、友人の建築家J君と「M」でブランチ。そしてその夜は、これ又久し振りに会う友人達と食の盟友Mの…

「老婆」に為っても「A.I」に為っても、女は女で有る。

やっとニューヨークに戻って来た。帰りの機内では、不眠の為の相変わらずの映画三昧だったが、疲れ果てて居た為何を血迷ったか「テラスハウス」を観て仕舞い、そのレベルの低さに愕然としたのだが、もう1本観たSFスリラーの方は大層気に入った…その作品とは…

ロバート・グラスパーVS.キース・ジャレット。

然し「少年A」、或いは酒鬼薔薇聖斗の自伝本出版は許せない。あれだけ残虐な事件を起こした末、少年法に拠って命を守られ、国民の税金に拠って生活を守られて更生した筈のこの男に、一体何の権利が有ってこんな本が出せるのだろう?…百歩譲ってそんなに出版…

藤本壮介の「未来の未来」。

いきなりだが、東京都の観光「ボランティア」のユニフォーム・デザイン(→http://matome.naver.jp/odai/2143331249803511701)をご覧になっただろうか?何とダサいデザインなのだろう…本当にウンザリするし、これではオリンピック全体のデザインも開会式も推…

「幽玄の極み」を観た「糺勧進能」@下鴨神社。

先週後半から週末に掛けて、灼熱の関西へと出張をして来た…ので、土曜日の大きな地震も全く知らなかった。が然し今回の様に、重要クライアント達からプライヴェート・セール向きの幾つかの高額商品の契約が取れたりすると、北新地や祇園の夜もまた一段と楽し…

新橋演舞場の中心で日本愛を叫ぶ。

暑い…時差ボケの体に鞭打つ暑さにバテる。そんな中仕事の方もソロソロとスタートし、重要顧客とのミーティングをこなしながら、先ずは今顧客から預かって居る水墨屏風を先生方に観て貰う。室町期の絵師の落款を持つこの六曲一双は中々の出来映えで、40年前に…

命懸けの美しき「恋重荷」@国立能楽堂。

再び日本へとやって来た。ニューヨーク出発前日のカラオケ大会で張り切りすぎた為か、普段機内では全く寝られない僕が今回は珍しく4、5時間も寝れたのだが、それでも映画を観る事だけは忘れず、コリン・ファース主演のアクション・スパイ物「Kingsman: The S…

「数字」より大事なモノ:Ken Watanabe's "The King and I"@Vivian Beaumont Theater.

智恵子は紐育に春が無いといふ。…等と高村智恵子が云う筈も無いが(笑)、今年のニューヨークには本当に春が無くて、余りにも酷かった冬から、いきなり夏っぽく為って仕舞った。そして、ピカソの「アルジェの女たち」の世界新記録達成の興奮も未だ残るNY…が…

ピカソの「才色兼備な女たち」が作った「世界新記録」。

今晩ニューヨークで開催された、クリスティーズの「Looking Forward to the Past」セールは、本当に凄まじかった。大家で有るロックフェラー・センターからの指導で、今回から400席程減らされた会場に溢れんばかりの人が集まったこの「キュレーテッド・イヴ…

速報!ピカソ「アルジェの女」が世界新記録達成!

今晩クリスティーズ・ニューヨークで開催された「Looking Forward to the Past」セールで、ピカソの「Les Femmes d'Alger(アルジェの女)」が、1億7936万5000ドル(約215億2000万円)で売れ、如何なる美術品でもオークションで売られた世界最高価格を記録し…

今週末は"Possible New World Record"を観に。

昨日迄アメリカ某都市に出張に行って居たのだが、その都市に降り立った時、昔観たジョン・カーペンター(METの日本美術キュレーターでは無い:笑)の「The Fog」と云うSF映画を思い出した程、街中の高層ビルの大半の上半分が「霧」で見えなく為って居て、そ…

「カヴァレリア・ルスティカーナ」の贖罪。

やっとこさっとこ春めいて来たニューヨーク…が、日本等はGW真っ最中らしいので、羨ましい事甚だしい。そうして長過ぎた冬が終わったのだから、気持ちが軽くなる筈なのに、気が重くなる事ばかり…安倍首相の米議会演説が日本で好評と聞き、耳を疑った。件の演…

猫と刺青と日本への恩返し。

最近のニューヨークはもう5月に垂んとして居ると云うのに、夜等有ろう事か再び3〜4度程の気温に逆戻りした日も有って、ダウンコートを永遠に仕舞えない…良い加減にして欲しい。そんな三寒四温の中、オークションも終わって少々リラックスした先週末は、今迄…

「探究心」の1日。

数日前、最近音沙汰の無かった友人の女性から驚くべきメールが届いた。そのメールは、「桂屋さんは、去年の9月に起った御嶽山の噴火を知ってますか?」と云う質問から始まっていて、詳しくは覚えていないが、確かに御嶽山が噴火し、数十人が亡くなった事は覚…

アメリカ人が愛した日本美術。

木曜の朝に出張先のアメリカ某都市を出る時、4月も半ば過ぎだと云うのに彼の地は吹雪で、その所為で何かセンチメンタルで、タイムスリップした様な気に為った。が、そんな気持ちに為ったのには、雪以外にもう1つ理由が有って、この街に来る度に何時も僕を乗…

涙で曇った「山口小夜子」と云うアート。

昨日、日本より暖かいニューヨークに戻って来た。成田のラウンジではニューヨーク在住ディーラーY氏とそのクライアント、機内では世界的現代美術家M氏に会い、僕を含めてチョット恐く濃い客層だったが(笑)、もし僕等の飛行機がテロにでも有ってたら、日本…

正徳3年の「平安ルネッサンス」。

平安時代と室町時代に制作された重要作品に関わる仕事の為に、短期だが日本にやって来た。NYを出る前のワールド・ウェザー・リポートでは、「日本は気温18度で、桜満開!」との事だったので、コートの1着も持って来なかったのが運の尽き…こんなに寒く為ると…

慈善と傲慢、そして悪への無抵抗:「雪の轍」。

云う迄も無いが、僕達の人生に於いて男と女、或いは夫婦の関係性は永遠のテーマだ。そして、例えばその男女2人の年齢や社会的地位、収入、教養の度合いや身心の健康状態の「差」が甚だしく異なったり、或いは2人がお互いから逃れられない閉ざされた環境に有…

「白蘭の歌」に観る「良き時代」。

今年のニューヨーク裏千家での「利休忌」は所用の為出席出来なかったが、毎年「利休忌」が来ると、1年の1/4が終わって仕舞った事に愕然とする。時間と云うヤツは、他人の事等決して待って呉れないのは判っているが、こう早く過ぎて行くと、何らかの理由で「…

「アーティスト」と「キュレイター」に拠る小説二題。

怒涛のAsian Art Weekも漸く終わり、クリスティーズの「エルズワース・セール」も計1億6100万ドル(約193億2000万円:27日に終わるオンライン・セールを除く)を超える売上を記録し、三寒四温だった気温も何とかプラスに留まる様に為ったニューヨーク…が、疲…

Asian Art Week, but "Ellsworth" Week !

再びマイナス気温に逆戻りしたニューヨークでは、アッパー・イースト・サイド中心に開催されている「Asian Art Week」の展覧会も真っ盛り。Sebastian Izzardでは鍋島や肉筆浮世絵が展示されるが、特に宮川一笑の肉筆「若衆逢引図」が面白い。またMIKA Galler…

「師弟愛」、或いは「セッション」。

気候も大分マシに為り、「Asian Art Week」も始まった先週のニューヨークで時差ボケと戦いながら、先ずは日本からの重要顧客Wさんをアテンド。Wさんと以前約束していた、某美術館に勤める超優秀なアート・ロイヤーを紹介する為にダウンタウンに向かい、今NY…

MOTTO, “MOT”!

あれから4年…月日は心を風化させるが、未だ多数残る避難民と福島第一は決して風化などして居ない。安倍政権は、一体この事をどう考えて居るのだろうか?そして此方はと云うと、寒さも大分マシに為ったニューヨークに戻って来たが、クリスティーズでは「エル…

「菅原伝授手習鑑」に聞いた、世代交代の良き足音。

先週のスタートは、毎年恒例の「人間ドック」から。各種血液検査や尿検査を始め、体格測定、胃と大腸内視鏡検査、心電図、数回の血圧測定、胸部と腹部X線、腹部エコー、視力&眼圧、聴覚や肺機能等、2日間に渡っての検査を熟す。僕は最大の難関で有る2つの内…

カキツバタノヒ。

ミスター・スポックが死んだ。「スタートレック」シリーズの最初から、どんな時でも冷静沈着・論理的で、人間の「感情」等理解出来ない物事が有ると片眉を上げる、耳のとんがったヴァルカン人と地球人とのハーフでエンタープライズ号の副長役だった、個性派…

パラダイスでのお仕事。

十代目坂東三津五郎丈が、滔々亡くなって仕舞った。その大和屋さんとは一度だけ向島で呑んだ事が有って(拙ダイアリー:白隠、かぶき、向島の夜」参照)、お城の話や骨董の話で盛り上がったりしたのだが、芸妓さん達の踊りが始まると正座をされて確りと見、…

2人の女性アーティストに見る「反転」の美学。

この間のバレンタイン・デーの日に、1人の女性が子宮頸癌で亡くなった…その女性とは鮎川悦子さん、A.K.A.「シーナ」。若い頃僕は「シーナ&ザ・ロケッツ」の大ファンで、そもそもこのバンドのファンに為ったのは、多くの人がそうで有る様に1979年の大ヒット…

寒さと静寂が齎した、予期せぬ奇跡:河原温と「バードマン」。

今朝起きたら、雪が積もって居る。が、記録的な寒さだったのは昨日の「President's Day」…「-16度」の中、祭日だと云うのにオフィスに出向き仕事をした僕は、その後「静寂」を経験しにグッゲンハイム美術館へと向かった。その「静寂」とは、現在開催中の河原…

全ての女性は人智を超越した、生まれついての女優で有る:「ルーシー」&「ゴーン・ガール」。

寒いニューヨークへと帰って来た。因みに昨日は小雪が舞い、今朝は「SingLe digit」…「(華氏で)一桁」の気温の意味だが、摂氏で平たく云えば−13℃…ニュースでは「Once in generation cold」(!)と呼んで居る位だから、やってられない(涙)。そのアメリカ…