2011-01-01から1年間の記事一覧

「カツラン」の観た「カテラン」:Maurizio Cattelan's "All"@Guggenheim.

「ニューヨーク・シティ・マラソン」の有った昨日の日曜は、昼過ぎ迄家でのんびりし、街中の交通が正常化した頃を見計らって、グッゲンハイム美術館へマウリシオ・カテランの展覧会「All」を観に。さて、この11月4日に開幕したばかりのこの展覧会は、此方の…

「1%」の為のアート、或いは「99%」の為の「宝物」。

「冬時間」が始まったニューヨーク…今日開催される「ニューヨーク・シティ・マラソン」の走者達も、何時もより1時間多く寝られた訳だから、良い記録が出るのではないだろうか。マラソン等には全く興味が無く、出ても途中棄権が「関の山」な筆者の昨日は、各…

アダムとイヴ。

寒さが厳しくなり、今日などは3度迄気温が下がるとの事。ニューヨーク冬の風物詩「マンホールから夜の闇に立ち上る白煙」が、走って来るタクシーに因って掻き消されるのが目立つ様に為り、気が付けば11月…今週末で滔々「夏時間」が終わり、そしてあっと云う…

この秋の「印象派・近代絵画イヴニング・セール」の結果は、如何に?

ニューヨークは寒くなって来た。さて、iPhone-4Sが発売されて暫く経った。そこで、既に日本でも知られているかも知れないが、今此方でこんな動画が流行っている(→http://www.carbonated.tv/blogs/iphone-4s-siri-vs-japanese-man-video)…日本人としては身…

初めての「正客」@「今冥途」。

スノー・ストームが嘘の様に晴れ渡った、素晴らしい天気の一日で有った昨日の朝は、前日の杉本博司氏の茶室「今冥途」で行われた、ここ数年でも大変思い出に残る素晴らしい茶事の余韻を引き摺りながら、起床。その前日お茶事の後は、チェルシーの行きつけ「B…

「雪の日に、茶事をせぬは…」:茶室披き@「今冥途」。

昨日の午前中は、来月末に開催される国際浮世絵学会で、自身の600点に及ぶ川瀬巴水のコレクションに就いて発表を行う友人のR宅へ赴き、その発表と筆者がする通訳の打ち合わせ。Rの講演は「Hasui, Snow and Me」(「巴水、雪と私」)と題され、彼の巴水への思…

「金風無尽蔵」。

しかし、日々「新記録」が更新されている…云う迄も無く、「円」の話で有る。これだけ毎日の様に「戦後最高値」と云われると、本当に「日本の戦後」が終わっていないのだなと実感させられる訳だが、政府の無策振りには本当に腹が立つ。こうなると、筆者は未だ…

「茶事」の招待状と、「印象派・近代絵画」プレビュー。

円高が止まらない。後2週間程で再び日本に出張に行く身としては、これでは輸出産業並みに辛い思いをせねば為らぬ(涙)。云ってみれば、コーヒー1杯に就き、6、7ドル払うつもりでいなければならないと云う事だ。日本政府は何時も指を咥えて見ているだけで、…

アルモドヴァルの、美し過ぎる「フランケンシュタイン」:「The Skin I Live In」。

肌寒くなって来たニューヨークだが、先週の土曜日は髪を切った後、昼過ぎからパーク・アヴェニュー・アーモリーへと向かった…数人のディーラーから招待状を貰っていた、「The International Fine Art & Antique Dealer Show 2011」を見学する為であった。筆…

「屏風天国」の日々。

$1=75.78円の「史上最高値」を円が記録し、そしてランチを買いに行ったら、ニューヨークのデリにも滔々暖房が入って居た今日この頃、此方はと云うと、先週今週と「プチ出張」の連続でお疲れ気味である。そんな先週の或る日、当社の「Estate & appraisal」部…

「孫一、危機一髪」の巻。

最近ちょっと面白い、と云うか、複雑な感慨を持った記事を読んだ。それは「行く年来る年」で毎年放映される、除夜の鐘で有名な福井県に在る曹洞宗大本山の永平寺が、原発シンポジウムで「原発は仏教の教えに反する」との見解を示したと云う記事だ。この記事…

読書の秋の醍醐味。

それに付けても、最近イライラする事が耐えない…それは、現在「デモ村」と化している公園の、ニューヨーク市に拠る「清掃為のデモ隊撤去」問題。あれだけ中東で「集会の自由」「言論の自由」を訴えて来たこの国が、「清掃」「この公園は個人所有」等と云う云…

現代バレエの行方:Houston Ballet@Joyce Theater。

今日も先ずは「告知」から。ちょっと先の話だが、来る11月16日午後6:30より、元イッセイ・ミヤケのクリエイティヴ・ディレクターで友人の藤原大さんが、ジャパン・ソサエティに於いて講演を行う。この講演は「Mastermind in Textile: An Evening with Dai F…

マエストロの、絶え間無く揺れ動く、右手の指@カーネギー・ホール。

先ずは告知から。来る11月9日朝9時半より、クリスティ−ズに於いて現代美術家村上隆(カイカイキキ)とガゴシアン・ギャラリー、そしてクリスティーズ共催の、東日本大震災救援チャリティー・オークション「New Day」が開催される。この企画は村上氏が中心と…

近江の「神仏」に会いたい!

新潟の柏崎刈羽原発で、放射性物質漏洩が起きた。全く以て東電の管理体制の甘さには閉口するが、此れは即ち我が国の原子力行政の甘さでも有る。なのに、この期に及んでも日本のメディアは、ウンともスンとも云わない…小沢一郎氏の強制起訴問題も然りで、「検…

「一命」と「狂った果実」。

ニューヨークは寒くなって来た。ウォール街では夜中の無許可デモで28名が拘束され、次第に無秩序化の様相を呈して来たが、しかし個人的には、アメリカの金融関係者が「99%」の国民に卵を投げ付けられても、或る意味仕方無いのでは無いかとも思う。何故なら、…

天才のスピード。

スティーヴ・ジョブズが亡くなった。そもそも、コンピューター嫌いな筆者は「MAC」等触った事も無いし、iPodやiPadはおろか、iPhoneすら持っていない。ジョブズが死んだと聞いても、正直「あぁ、そうなのか」程の感慨しか無かった…が、その死の一報を聞いて…

「恥らい」と「笑い」:「春画」的日本文化の終焉。

ニューヨークの此処数日の気温の変化に、体が付いて行かない…先週末等は9℃迄下がった訳だから、それも致し方無い。それに引き換え、3週目に入ったウォール街でのデモは「熱さ」を増して来ていて、高失業率やオバマの経済失政、そして「格差拡大」の是正を求…

一神教的「別離」と「選択」:"A Separation".

夜とも為るとめっきり寒くなったニューヨークも、秋恒例の映画祭「The 49th New York Film Festival」がリンカーン・センターで始まった。今回のフェスティヴァル・ラインナップは例年以上に素晴らしい物で、監督もアルモドヴァルやヴェンダース、クローネン…

「OMEN:前兆」(後編)。

「ムッシュー、それでは早速作品を観て頂きましょう。」フランクと名乗った車椅子の美青年は、背後のマイケルに軽く合図をすると、マイケルは向きを変えた車椅子を押しつつ、私を隣の部屋へと案内した。その部屋は、未だ9月の終わりだと云うのに、雨の所為か…

「OMEN:前兆」(前編)。

その日は雨、だった。依頼主が用意し、迎えに来たクラシックな車に私が乗り込んだ頃から、雨は少しずつ激しさを増し、大混雑のマンハッタンを抜け出した午後3時を廻った頃に為ると、空はより厚い雲に覆われ、フロントグラスを叩く雨音も一際大きくなった様だ…

ルシアン・フロイドの「離見の見」。

いや、驚いたの何のって…俳優の香川照之君が、「9代目市川中車」を襲名するとは!亀治郎丈が「4代目猿之助」を襲名するのは、正直「まぁ、そうだろう」位の感じだが、香川君の歌舞伎出演も然る事ながら、中車襲名には本当に吃驚仰天である。今は付き合いも無…

「ベネズエラ料理の謎」と、「興奮」と「癒し」をくれた2人の若きミュージシャン。

土曜日、ギャラリーを廻った後の夜は、先ずは友人のヘア・デザイナーMちゃんのバースデー・ディナーに、ゲル妻やA姫と参加。場所はイースト・ヴィレッジの「ベネズエラ料理」店。ベネズエラの料理は、ベネズエラが嘗てスペインの植民地だった事で、メニュー…

土曜日の芸術散策。

昨日、「『ニュートリノ』は光より早い」と云う驚くべき新聞記事の事を此処に書いたのだが、世の中では「あれは『誤差』だろう」とか「何かの間違いだろう」との意見が多いらしく、筆者の元にも幾つか意見が寄せられた。しかしこの実験結果の真偽は兎も角と…

不景気と云う「何処吹く風」。

オークション後直ぐと云うのは、通常なら少しは暇になる物なのだが、今回はどうも中々そうは行かず、夜に為ってからの「カンファレンス・コール」や昼夜を問わないミーティングの連続で、日本の様に連休も無く休みも取れずに、もうヘトヘトで有る(涙)。そ…

「ノーベル賞作家」VS「あんちくしょう」の対決を望む。

今ニューヨークの街の道は、イーストサイドを中心に大渋滞である。其れもその筈、「国連総会」が開かれているからで、しかもオバマが「ウォルドルフ・アストリア」に滞在していると為れば尚更…何しろ身動きが出来ない。日本からも新首相が来ているらしいが、…

チェルシーの「エレベーター」。

セール後の土曜日程、嬉しい日は無い。流石の疲労から昼前まで寝続け、地獄宮殿特製「焼饂飩」を頂いた後は、午後から外へと出掛けた。ニューヨークの気候は、今或る意味最も素晴らしく、20度前後の気温に穏やかな陽射し…(成績が悪かろうと)大仕事が終わっ…

感じてしまう、「女の声」。

ニューヨークの秋の「Asian Art Week」が終わった。クリスティーズは、約7580万ドル(約57億6000万円)を4日間で売り上げ、今年のクリスティーズ・ニューヨークに於けるアジア美術の総売り上げは、約1億9300万ドル(約146億7000万円)に登り、昨年度に比べて…

「捕らぬ狸の皮算用」。

昨日、日本・韓国美術のオークションが終わった。が、見事に売れなかった(涙)。前回此処で、いみじくも「捕らぬ狸の皮算用」と云ったのだが、当にその通りになってしまった訳だ。印籠を中心とする「Edson Collection」は、印籠2個がそれぞれ13万5000ドル(…

10年目の涙。

下見会も、無事今日終了。役者達(写楽作品)の行方は未だ判らないが、能面や印籠は非常にポピュラーで、漆作品に若しかしたら「世界記録」が出るかも知れない…「捕らぬ狸の皮算用」とはこの事だが、この非常に美しい日本の漆工芸品の「極み」に対する世界の…